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往生の業には念仏を先となす

南無阿弥陀仏
         往生の業には念仏を先とす
法然上人
法然上人選述の・選択本願念仏集・の一番最初の一句です。
平安末期、王朝から武家へ政権が移る混乱とした世にあって、十五才で
出家し、戦乱と飢餓に民衆を救う道を求め続けた法然上人がようやくたど
り着いた真理の言葉です。
ひたすら阿弥陀仏に念仏すればすべての人は、極楽浄土に救われると説
いたのです。
※法然上人『選択本願念仏集』冒頭のことば。
■京都・廬山寺に所蔵される『選択本願念仏集』の草稿本は表題とこの『南無阿弥陀仏
往生之業念仏為先』の文字のみ法然上人の自筆である。

念仏の一願に

念仏の一願に
万機をおさめておこし給へる本願なり。
法然上人

お念仏は、違う性質・性格をもったすべての人々を想定して建立された
阿弥陀さまの誓いのことばです。
従って、どういう人が往生できるかできないかなどの議論をしないで、
ただ一心にお念仏を唱えるべきなのです。

※法然上人『勅修御伝(ちょくしゅごでん)』より。

■法然上人『勅修御伝』第四十五巻。遠江国蓮華寺・禅勝房の問いに法然上人が答えた文。

■万機=様々な衆生の性格・性質をさす。

念仏は弥陀にも利生の本願

念仏は弥陀にも利生の本願、
釈迦にも出世の本懐なり。
法然 上人

念仏は阿弥陀さまがすべての人々を救おうとする誓いの言葉であり、ま
たそれはお釈迦さまにとってもこの世にお出ましになった御本心なのです。
念仏往生の本願というのは、阿弥陀如来さまの《一切の衆生を救済しよ
う》という誓いの言葉です。お釈迦さまのこの世での様々な教えも、その
元を追求すれば阿弥陀さまの本願と一致します。
すなわちお二人とも我々を救うために、此の世にお出ましになられたの
です。

  ※法然上人『勅修御伝(ちょくしゅごでん)』より。

■法然上人『勅修御伝』第二十八巻。武蔵国の御家人・津戸の三郎為守に対する法然上人の御返事。

■本懐=心中に蔵する根本の思念。
阿弥陀三尊来迎図

神力は大光を演べ

神力は大光を演べて
あまねく無際の土を照らし
 三垢の冥を消除して
広くもろもろの厄難を済わん
無量寿経 巻上
阿弥陀さまのお力は大いなる光を放って、あまねくすみずみまで世界を
照らし、断ち切れない私たちの煩悩の闇を切り開いて、私たちに降りかか
る様々な厄と苦難を救ってくださるのです。
■法蔵菩薩が四十八願を説き終わったのち、重ねて頌(詩句。偈ともいう)をもっ
てその誓願を説いたもの。重誓偈と呼ばれる。
■三垢=貧・瞋・癡(むさぼり・いかり・おろか)の三つの煩悩。

人よく仏を念ずれば

人よく仏を念ずれば 仏還つて念じたまふ
専心に仏を想へば 仏 人を知りたまふ
法然 上人
もしある人が阿弥陀さまを心の中に思えば、阿弥陀さまもその人のこと
を考えていただけます。また誠心誠意阿弥陀さまを信頼すれば、阿弥陀さ
まはその心に応えてくださるのです。
阿弥陀さまは仏になられるときに四十八の誓いをたてられました。
そのすべては私たちのための誓いですが、中でも十八番目の誓いは我々
に最も親しいものとなっています。それは往生の定めと云われるもので、
立派な阿弥陀堂や、阿弥陀仏像を建立するお金がなくとも、ただ真剣に阿
弥陀さまを信じ、お願いすれば、すべての人々を平等に極楽に誘ってくれ
るというのです。
ただただ有り難き、阿弥陀さまのお言葉です。
※法然上人・選択本願念仏集・第六章 末法万年の後、余行悉く滅し、特り念仏を留むる文
■善導大師の『法事讃』からの引用部分。『法事讃』は『浄土法事讃』ともいい、
二巻本で阿弥陀経とその注釈を交互に並べて、懺悔供養などの方式を明らかにし
たもの。

人々が阿弥陀仏を見たいと願えば、

衆生、仏を見んと願ずれば、
仏即ち念に応じて、目の前に現在したまふ。
法然 上人
人々が阿弥陀仏を見たいと願えば、阿弥陀仏はその思いに呼応してお姿
を現します。
これは、阿弥陀さまと我々との関係をわかりやすく示したものであり、
「近縁」という言葉で表現されます。つまり切っても切れない縁(えにし)
といいましょうか、我々は阿弥陀さまによって生かされているのでありま
す。
※ 『選択本願念仏集』第二章 善導和尚、正・雑二行を立てて、雑行を捨て正行に帰する文
法然上人が浄土五祖とあがめた中国浄土教一門の中でも、もっとも影響を受けた善導大師(613~681)
の著作・『観経疏』からの引用。疏とは注釈とか論釈などといった意味。

八つの人生訓~社会にはばたく方々、大きな壁につきあたった社会人の方々へ

念願の就職が決まり、都会へ出ることになったA君に、お母さんがそっと渡した封筒の中身は、我が子の人生が平穏無事でありますよう願いが込められた八項目からなる手作りの「おふくろ人生訓」でした。

 

一つ、あせらない

人生はマラソンと同じ。長いゴールまでの道程を、追い越したり追い越されたりしながら行けばいいのです。

二つ、なげかない

「どうして俺は駄目な人間なんだろう」こんなこと思うことないよ。人間は十人十色。子供の頃よく歌ってあげたチューリップの花の歌、思い出しなさい。お前はお前の色を出して、精一杯咲けばいいのです。

三つ、たじろがない

「たじろぐ」という言葉、日本の古い言葉で、動揺したり、後ずさりしたり、困難や予期せぬことにぶつかって、おどおどするという意味なんですって。どんな大きな難問に出会ってもオロオロしないこと。必ず出口はあるのですから。

四つ、のどかでおおらかに

悩んだ時には眠るのが一番、時間が経過すれば周囲も変化し、情景も変わっている。要するに時間が悩みを解決してくれるから、じっと待っていなさいってこと。

五つ、いばらない

ちょっと仕事ができるようになったからといって、後輩ができたからといって、いばるんじゃないよ。周りの人はみんなお前の先生だと思って大切にしなさい。

六つ、きげんよく

どんなに気に入らないことがあっても、不機嫌な顔を他人(ひと)さまに見せてはいけない。自分の不機嫌を自分で直せなかったら、大人じゃないということを忘れないで。

七つ、感謝の心で

「オレの力で生きている」なんて思ったら大間違いです。多くの物、大勢の人たちのお力をいただいて生きているのです。感謝することを忘れると、人々から見放されます。
 
八つ、たゆまぬ努力

努力することを惜しまぬ人になってください。耐えて耐えて、続けて続けていくこと。だからこそ、悔いのない人生、実りある人生ができあがるのです。

以上、八つの言葉の頭文字を並べてみてごらん。「あなたのいきかた」になるはずです。こんな生き方をして欲しい、と願いを込めました。
『あなたのいきかた』

せらない

げかない

じろがない

どかでおおらかに

ばらない

げんよく

んしゃのこころで

ゆまぬ努力